湿度の高い日本ならではのレザーバッグ管理方法を伝授します

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湿度の高い日本では、革バッグのトラブルのうち3割は保管中に起こると言われています。革は水濡れや湿度に弱い素材なので、きちんとした保管をしなくてはカビやニオイ、型崩れ、虫食いの元となります。

革バッグのトラブルのうち3割は保管中に起こる

湿度の高い日本では、革バッグのトラブルのうち3割は保管中に起こると言われています。冬は湿気が少ないので油断しがちですが、そのままにしておくと特に注意しなくてはいけない季節、梅雨から夏がやってきます。冬の湿度は平均50%なのですが、夏になると70~80%にまで推移が上がります。革は水濡れや湿度に弱いため、きちんとした保管をしなくてはカビやニオイ、型崩れ、虫食いの元となります。風通しの悪いクローゼットに長期間保存させるのでしたらきちんとした保管方法を知っておきましょう。

革トラブルの元となるカビについてのお話

カビはホコリと同じようなもので空気中のどこにでもいるのです。 そのカビがあちこちに付着して発育条件が揃うと芽を出し繁殖していきます。その条件というのが「栄養」と「湿度」。カビは温度が25℃~30℃、湿度が80%以上で栄養となるエサがあるところでよく育ちます。 しかも風通しが悪いとさらに増殖しやすくなるのです。

それから、革バッグがカビやすくなる条件がいくつかありますので、こちらに気をつけながら保管をしていきましょう。まずは、カビの栄養となる植物タンニンや油脂が含まれているかどうかです。カビの栄養源になるものがあればそれだけ増殖していきますので注意が必要です。皮革用クリームもカビの栄養となるので使用するときには十分に気をつけてください。バッグ自体も外出時に使うものなのでカビが付着しやすくなっています。特に、手の脂が革に残ってしまうとカビの原因となります。それから、クローゼットなどのカビの繁殖しやすい場所に置きっぱなしにしているのもよくありません。

バッグについてしまったカビはどうしたらいい?

カビは付着して芽を出すと、菌糸というものを伸ばして増殖していきます。表面上のカビだけなら拭き取ってしまえばいいのですが、革の場合は見た目でわかるほどにカビが増殖していたら繊維の中まで入り込んでいる可能性が高いのです。被害が少ない場合でしたら、カビの部分を濡れタオルを絞ったもので拭き取ってから天日干しをします。紫外線でカビを殺していくのです。革が乾いたら保湿用のクリームなどを塗って最後に乾拭きをして完了となります。長時間の天日干しは革を乾燥させすぎてしまい、型くずれしてしまうので注意しながら行ってください。

あとは、消毒用のエタノールを使用して拭き取ることも効果が期待できます。薬局で購入できるのですが、無水エタノールと消毒用エタノールがあります。エタノールはカビのタンパク質を分解するためにカビ除去には効果的なのですが無水エタノールでは効き目がないので消毒用のエタノールを購入しましょう。水の代わりに消毒用のエタノールを含ませて拭き取ればいいだけですので簡単です。ですが革の色が変色する可能性もありますので目立たない部分で試してから行うことをおすすめします。

保管ポイント1》「あんこ」で型崩れを防止

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お手軽にできるのは新聞紙。これであんこを作ります。保管しているとバッグの型崩れが生じやすいので防ぐためにもきちんと行っておきましょう。新聞紙ですと湿気も吸収してくれますので、カビ防止にもなります。更にはインクの成分を嫌う虫の防止にも繋がります。新聞紙のインクがバッグに付着してしまう恐れがありますので、新聞紙の上に白い紙で包むとよりいいかと思います。

保管ポイント2》ネル生地を使わずに不織布で収納

バッグを購入した時にはネル生地や不織布に包まれていますよね。ここに注意が必要なのです。ネル生地はコットン素材をベースに少し起毛させている丈夫な生地なので、バッグを傷から守ってくれるというメリットが合う上に、革バッグのお手入れにクリームを塗りこむ時にも使用したりします。ですが、分厚い素材のために湿気を溜め込みやすく通気性には優れません。反対に不織布とは、綿や羊毛などの天然素材やレーヨンやナイロンなどの化学繊維を絡ませたり、接着樹脂で結合させたりしてできているので繊維通しが密集していません。通気性に優れているのです。保管用に包むのでしたら、このような通気性のいいものを選びましょう。

保管ポイント3》化粧箱には入れないこと

よく、購入するとそのまま化粧箱に入れて保管をしてしまいがちですよね。箱に積み上げて保管したほうが一見手軽ですし、型崩れもなくよさそうに思われます。ですが、下に置かれた箱は風通しが悪くなるためカビの原因となっているのです。なので、保管をする際には化粧箱には入れずに不織布で包むだけにしておきましょう。

保管ポイント4》バッグは立てて収納しましょう

革バッグのお手入れは、保管をする前にきちんと行っておきましょう。クリームには革の汚れを付きにくくするコーティング効果がある上に、乾燥から守り、艶を出す効果もあります。クリーム状以外にもワックスやゼリータイプのものもあるので使いやすいものを選ぶといいでしょう。

保管ポイント5》汚れ落としクリームでお手入れをしてから保管

革バッグのお手入れは、保管をする前にきちんと行っておきましょう。クリームには革の汚れを付きにくくするコーティング効果がある上に、乾燥から守り、艶を出す効果もあります。クリーム状以外にもワックスやゼリータイプのものもあるので使いやすいものを選ぶといいでしょう。

さらに、バッグが乾いて硬くなってしまった場合には、ミンクオイルが便利です。ミンクオイルとは動物性のオイルで革の手入れに使われています。植物性と比べて浸透性が早く革を柔らかくする効果があります。使うときは革表面の余計な汚れをよく拭き取ってからにしてください。そのあとに布にとったミンクオイルをなじませるように塗りこみます。なじんだら別の乾いた布で乾拭きしましょう。柔らかくて光沢のあるバッグになります。

保管ポイント6》乾燥剤で湿気を除去しましょう

乾燥剤で湿気を吸収することで、金具部分のサビも防ぐことができます。ですが入れ過ぎには注意してください。入れすぎてしまうと革の水分も奪ってしまい型崩れやひび割れの原因となります。除湿剤や乾燥剤を入れる場合は、直接触れてしまうと革が変色する恐れもありますので離して置くことも大切です。防虫剤はバッグに使われている接着剤や塗装と化学反応を起こして劣化させてしまう危険性があるためやめてください。

最後に…

革バッグは安易に保管してしまうとカビの原因となり、使用できなくなる可能性があります。定期的にバッグの様子を伺いメンテナンスをしていくといいでしょう。正しいお手入れの仕方を学んでバッグを長く使用してください。