日本を代表するブランド「サカイ」とは?

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日本生まれのサカイは、オーナー兼デザイナーの「阿部千登勢」によって1999年に創設されたブランドです。レディース・メンズそれぞれ取り扱い、老若男女問わず人気を集めています。サカイのブランドコンセプトは「日常の上に成り立つデザイン」
日常で使用されるアイテムを、彼女独自の世界観で上手に崩し、できた素材やアイテム、そしてパターンやスタイルを構成。その中にエレガント要素を加え、サカイにしか出せない新しいクラシックスタイルを確立したのです。しかし、ここまでの地位を確立するまでに、彼女は地道な努力をしてきたのです。続いての項目では、サカイの歴史について詳しく解説していきます。

歴史に迫る1》有名ブランドへ入社!結婚・出産が彼女の転機になる

阿部千登勢は、初めからサカイを創設させたわけではありません。日本国内のレディースブランドの中で、大御所といっても過言ではない「コム デ ギャルソン」に入社していました。そこで彼女は、ニット部門に配属され「パタンナー(※)」を行っていました。ところが最愛の恋人と結婚することが決まり、1997年には出産を機に、コム デ ギャルソンを退社したのです。優秀なパタンナーであった彼女ですが、退社してパタンナー家業を終了させることはありませんでした。この結婚・出産こそ、サカイ創業のきっかけとなったのです!

※パタンナー

パタンナーとは、ファッションデザイナーがイメージしたイラスト・デザインを元に、アパレルで使用する型紙を作る専門家を指します。アイテムの型紙のため、重要な仕事であり仕上がりによって商品の売れ行きが変わるといわれます。そのため、優秀なパタンナーを求めて、各社ヘッドハンティングをされていることもあります。

歴史に迫る2》サカイ創業!口コミで知名度が広がる

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出産が終わり、一段落ついた彼女は再びメーカーへ戻ることはありませんでした。なんと、自身で「サカイ」を創業させたのです。とはいえ、各種アイテム、サイズ、人員を揃えることなく最小限での起業です。初めは「5型」のコレクションのみで勝負に出ており、大々的な広告を打ち出すことはなく、静かなスタートになりました。しかし、ファッションに敏感な方々やファッション業界が、彼女の作品の数々を見逃すことはありませんでした。サカイを購入した方々から質の良さと、大手では見られない斬新で挑戦的なデザインが功を奏し、口コミでサカイの評判が広がりました。その口コミを得たファッション雑誌関係者、スタイリストも続々と彼女の作品を愛用。セレクトショップからも高い評価を得ており、広告を出さずとも、サカイは次第にファッション業界で認められるようになりました。

歴史に迫る2》サカイ飛躍!晴れ舞台にも登場

サカイの評判が各地に広まると、彼女が生み出す作品を求めるユーザーが続々と増えていきました。そうなるとサカイの成長は留まることを知らず、下記のように成長していきました。2007年には「第25回毎日ファッション大賞」の大賞に阿部千登勢が選出されたのです。現在も、サカイの勢いは留まることを知らず、いずれはコム デ ギャルソンと同様に日本を牽引するブランドになることでしょう。

・2006年3月:「サカイ ジェム」をスタート(東京・ロンドンのみで販売)
・2006年9月:ランジェリー・ホームウェアライン「サカイ ラック」をスタート
・2009年:春夏コレクションに、メンズコレクションをスタート
・2010年:春夏コレクションに、モンクレールの新しいラインとして「モンクレール エス」をスタート
・2011年9月:東京都青山に、サカイの旗艦店をオープン

阿部千登勢デザイン×外部スタッフデザイン

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阿部千登勢の世界観も素晴らしいですが、全員が全員、彼女の世界観を受け入れるとは限りません。特に国内ではなく世界を相手にする場合、イタリア・フランス等のファッション大国を相手にしなければならないのです。そこで阿部千登勢は、世界で戦うために身内からではなく、外部からスタッフを招集しました。例えば下記の方々が、招集された代表的な外部スタッフです。

・グローバル・セールス・ディレクターとして2005年に就任した「島田昌彦」
・2007年、クリエイティブ・アドバイザーに就任した「源馬大輔」
・ファッションショーのスタイリングに「カール・テンプラー」を招集

この他にも、数多くの優秀なスタッフが彼女の元に集合したのです。招集された方々は世界で活躍されている方ばかりであり、世界では何がトレンドか?そしてどのように展開すれば世界でサカイが認められるか?等を的確にアドバイスしました。その結果、サカイは創業当時の彼女の魅力、そして世界で戦うために更に磨きがかかったデザインがプラスされ、新しいサカイの作品が続々と誕生したのです。今や、サカイの販売の7割を世界で売り上げるほど大成しました。上記で紹介した方々以外にも、招集した外部スタッフがいなければ、現在のサカイのデザインは生まれていなかったかもしれません。

品質維持に努めている

アパレルブランドであれば、どのブランドも品質維持に努めていると感じることでしょう。しかし、サカイの品質維持は他を圧倒するほど徹底されています。例えば、創業当時からサカイを支えてきた、サカイを代表するニットアイテムの数々。もし購入当時に、毛玉や品質を損ねるポイントがあると、サカイが自己負担で商品を回収するのです。もちろん、他の商品についても同様です。これほどまで品質維持に努めているブランドは、サカイ以外には見られないでしょう。その徹底ぶりがあるからこそ長年、サカイが愛されている秘訣なのかもしれません。

まとめ

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以上が日本を代表するブランド「サカイ」の紹介となります。現在も、阿部千登勢率いるサカイは日本国内、そして海外で大いに活躍するブランドへと常に成長を続けているのです。もし、サカイを見かける機会がありましたら、彼女が生み出す独創的な世界観をぜひ体験してみましょう。