マルニの始まり

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マルニ(MARNI)は、イタリアの有名な毛皮メーカー「CiwiFurs」の社長婦人であるスイス人デザイナー 「コンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)」が 「自分が本当に着たいものを、自分の手で作りたい」という思いから立ち上げたファッションブランドで、 可愛らしくロマンティックでありながら、しっかりと大人の落ち着きを感じさせるブランドです。


丸みを帯びたデザイン

マルニ(MARNI)の持ち味は、花柄やストライプなどのプリント柄と、温かみのある明るい柔らかな色使いで、 ハンドクラフトの刺繍やステッチなどとミックスさせながら、 少女っぽく可愛らしいロマンティックな作品を作り出しているところです。手仕事のフリルやレース入りの白い綿のシャツやスカートが定番となっているのですが、短い丈の上着も好きなようで、ボレロ丈のカーディガンやジャケットも人気商品となっています。全体として丸みを帯びたデザインが主流。ボトムは空気をはらんだタックドスカートなど、比較的ボリューム感のあるものが目立ちます。

中間色の自然素材×蛍光色の人工素材

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作品に使用される素材は、綿や麻、絹などの上質な天然系の素材が中心ですが、 有力な毛皮メーカーを母体に持つだけに、ファーやレザーも上質なものがふんだんに使用されています。それから、ヘビー・ウールジャージーとシルククレープといった異素材の組み合わせがフォークロア的な温もりを感じさせているのもポイント。レザーにブローチ、チェーン、ピンバッジなどの金属素材を合わせるコンビネーションは得意技。中間色の自然素材と蛍光色の人工素材を組み合わせる試みも斬新でした。異なるテイストを混ぜることによって温もりやソフトさを作り出すという「ミスマッチ」的な仕掛けが「マルニ」の隠し味となっています。

独特なデザイン

男性から見たセクシーさではなく、抑えた色気を匂い立たせるのが「マルニ」流。ハンドクラフトの刺繍やステッチ、手編み、アップリケなどが、アンティークに通じる、どこか懐かしい気分を呼び起こします。2004春夏では布をアシメトリーにパッチワークしたスカートを披露。2003―2004年秋冬では裏表を逆にしたような仕上げのコートやスカートを提案しました。また、ショップ(直営店)のデザインが独特で、店舗演出の巧みさは有名です。

コンスエロ・カスティリオーニ


画像引用:http://www.marni.com/
コンスエロ・カスティリオーニ氏は1954年、スイスで生まれました。25歳でジャンニ・カスティリオーニ氏と結婚。「フェンディ(FENDI)」の毛皮部門を手がけていた、夫の毛皮メーカー「Ciwi Furs」のコンサルタントとなったのです。 94年、「自分で着たいものを自分の手で作りたい」という思いから、「マルニ(Marni)」ブランドを設立。当初は「Ciwi Furs」の一部門としてスタートしていました。当時は毛皮とレザーだけを扱っていたところから始まります。96年、アパレルやアクセサリーを含むトータルブランドとしてミラノコレクションに初参加。99年からは会社として独立しました。

自分が着たいものしか作らない

ブランド旗揚げ時点で40歳というのは、一流デザイナーとしてはかなり遅咲きといえますが、それが「マルニ」のテイストに大きく影響しています。「自分が着たいものしか作らない」という確固とした哲学が、時流に流されない「マルニ」らしさを支えてきたのです。 夫が毛皮メーカーを経営していたことも、デザイナーにとって幸運でした。ミンクの毛を刈り込む加工を施し、手触りをさらにソフトにした「シェアード・ミンク(sheared mink)や、仔羊の毛皮を使った「ブロードテール(broad tail)」など、贅沢な素材を得意とするのも、長年、夫の会社でコンサルタントを務め、毛皮やレザーに深い知識と経験があればこその賜物です。

最後に


画像引用:http://www.marni.com/
いかがでしたでしょうか?イタリアのラグジュアリーブランドであるマルニは、有名な毛皮メーカーの社長夫人である、スイス人デザイナーのコンスエロ・カスティリオーニが「自分が本当に着たい服」をモットーにして作り上げてきたブランドだったのですね。今では誰もが知るブランドも、過去にはこだわり抜いた努力があったからこそのものなのですね。多彩な才能と努力によって築き上げられたブランドだからこそ、こうして今でも多くの支持を得ているのでしょう。