アンティークウォッチとは?

アンティークウォッチと一言で言っても、その定義は人それぞれです。ここではアールヌーヴォーの流れが時計にやってきた19世紀末から、機械式時計が最も栄えた時代と言われる1960年代までの時計をアンティークウォッチと呼ぶことにします。簡単に言えば造られてから50年~100年以上経っている時計を指します。

現在とはメーカーの名前が違ったり、あるいはそのメーカーがもう存在していなかったり、ブランドのロゴマークが違ったり・・・時代の変化を感じることができます。

アンティークウォッチの魅力

アンティークウォッチの魅力はただ古いだけではありません。大量生産の流れは1960年代後半からなので、それ以前のものについては一品一品すべて手作りでした。機械の大量生産では造りだせない曲線美や立体感は、現代では無駄と一蹴されてなくなってしまっています。

アンティークウォッチが素晴らしいというのは単なる懐古主義ではありません。長く使える道具こそが時計の本来の姿で、そのために手間を惜しまずに工夫をしている姿、姿勢が美しいのです。

アンティークウォッチの注意点

そんな素晴らしいアンティークウォッチですが、使用にあたっては注意点があります。現代の時計にはあって当然の防水性や衝撃対策がされていないのです。防水というのは水に漬かってはいけないだけではなく、ヨーロッパとは違い日本は湿気が多いので夏は着けているだけでサビてしまうこともあります。

また、耐震装置の開発が進んだのは1940頃で、それ以前のものは衝撃や振動で機械の心臓部が壊れてしまうケースが多いのです。

アンティークウォッチの名作の数々

最新のものよりも、アンティークウォッチが人気のブランドもあります。中にはアンティークウォッチとして名作と言われているものがあります。

今でも時計のブランドの王様と言えば候補に挙がるパテックフィリップとロレックスは現代はもちろんですが、アンティークウォッチの世界でも評価の高いブランドです。流通数は限られているので、年を追うごとにプレミアがつき元値よりも高いモデルも数多く存在します。その2つのブランドに注目して紹介します。

アンティークパテック

今でも機械式時計の頂点に君臨しているパテックフィリップですが、アンティークウォッチの世界では更に格上の存在になっています。パテックの代名詞ともいえる”カラトラバ”が発売されたのは1930年代のことで、それ以降他を寄せ付けない品質とブランド力を積み重ねています。

しかし大量生産の時代の流れはパテックにも来ており、1960年代以降のパテックには大量生産のために手間を省いた仕様が目立つようになりました。そのため、アンティークパテックが好き、と最新のパテックが好きはイコールにならないファンも多いのです。

アンティークロレックス

ロレックスもパテックと同様に格の高さは変わらずです。ロレックスの中でも花形といえるコスモグラフデイトナが最初に発表されたのは、機械式時計のピークといえる1960年頭でした。

デイトナは現代でも流通価格が非常に高く、アンティークウォッチとしての評価が非常に高いモデルなのです。他にもバブルバックやチェリーニなど有名なモデルがありますが、アンティークロレックスは総じて流通価格が高いのです。買う時も売る時も高いのは現代でも変わりませんね。

アンティークウォッチの魅力まとめ

アンティークウォッチの魅力を紹介しましたが、ブランドによって積み上げてきたものが違うので楽しみ方が違います。アンティークパテックと現在のパテックが違うようにアンティークパテックとアンティークロレックスの楽しみ方は全く違っています。

それらを調べながら、そして時計をじっくり観察して考察していく愉しみ。新品にはない価値がアンティークウォッチにあるのは、そういった目には見えないものだと感じる事ができます。