異色のファッションデザイナー!?建築学科卒業のデザイナー

ジャンフランコ・フェレを創業した「ジャンフランコ・フェレ」氏は、正に異色のファッションデザイナーと言えます。

彼が生まれたのは1944年のイタリア ルガーノ。子供の頃から「ファッションデザイナー」を目指していたわけではなく、彼の進路はミラノ工科大学、それも「建築学科」へ進学しました。

卒業後もファッションのファの字もなく、卒業後に赴任したインドにおいて、東洋文化を吸収。帰国後はインテリアデザイナーとして仕事に励んでいたため、特にファッション業界に携わることはしていませんでした。

しかし、彼の人生を変えた出来事がすぐそこまで迫っていました。

アクセサリーが転機?ファッション業界に進出!

ジャンフランコ・フェレがインテリアデザイナーとして励んでいた頃、たまたま彼のところへ友人が訪れました。友人は彼の仕事ぶりを高く評価していたからか、仕事とは無縁の「アクセサリー」を注文したのです。

ですが、そのアクセサリーを見た方々から大きな注目を浴び、瞬く間に彼のアクセサリーの評判は街中に広がりました。その噂はファッション業界の耳に入り、なんとミラノファッション業界の権威である「ウォルター・アルビーニ」の耳にも入ったのです。

このアクセサリーに興味を示したウォルターは、ジャンフランコ・フェレにアクセサリーを依頼。彼は見事、この仕事をやり抜き、インテリアデザイナーではなく「アクセサリーデザイナー」としての名声を高めていきました。

ジャンフランコ・フェレ誕生!自分の名前でレディースコレクション発表

ジャンフランコ・フェレは、アクセサリーをきっかけにファッション業界に足を踏み入れていきました。

例えば「フィオルタッチ」のTシャツデザインやスポーツウェア、1973年にはバイラ社のコレクションを任されるまでに成長しました。その上、翌年にはプレタポルテ・コレクション(既製服)まで任されるまでに至り、彼の評判はファッション業界へ広まったのです。

そして遂に!1978年には自分の名前をブランド名にした「ジャンフランコ・フェレ」を始動しました。

その時はレディースコレクションのみでしたが、時代を追うごとにコレクション数を増加。更にシンプルながらエレガントテイストを随所に盛り込み、気品溢れるモデルを数多く生み出したのです。

そのことが評価されたのか、各国のファッション評論家が選ぶ「ゴールデンアイ賞」を8年間で5回も受賞しています。

彼の名声は絶頂期を迎え「ジョルジョ・アルマーニ」「ジャンニ・ヴェルサーチ」と並ぶ「ミラノの3G」と称されるほどでした。

ジャンフランコ・フェレの勢いは止まらない!

ミラノの3Gと呼ばれてからも、彼が生み出す作品たちに一切の妥協はありませんでした。それを物語るかのように、ジャンフランコ・フェレは以下の高い評判を得ると共に賞を受賞しています。

・1982年:メンズコレクションを発表し、1989年には「ジャンフランコ・フェレ・ストゥーディオ」というセカンドラインもスタート。

・1989年:クリスチャン・ディオールのクリエイティブ・ディレクターに就任。最初は伝統あるフランスファッションをイタリア人に任せて良いのか?批判を浴びた。

しかし、彼は秋冬の「オートクチュールコレクション」にて高い評価を得る。

・1990年:フランスにて「デ・ドール賞」という名誉ある賞を受賞。

ちなみに、彼は日本国内にも1997年に訪れています。都内にて「ジー・エッフェ・エッフェ」のファッションショーを開催すると共に、彼自身の後援会まで行われました。

また、2005年に複数あるラインを「ジャンフランコ・フェレ」「フェレ」「GFフェレ」のように3つに集約し、ラインのスリム化によるコスト削減と共に、ビジネス拡大へとつなげていきました。

しかし、ビジネス拡大中の真っ只中だった2007年6月17日、彼は62歳の若さでこの世を去りました。

とは言え、彼が残してきたものはジャンフランコ・フェレに所属するデザイナー達に受け継がれています。今もなお、彼が生きているのでは?と感じるほど見事な作品の数々が世に輩出されています。

シンプル×品位のあるデザインが際立つジャンフランコ・フェレ

他の3Gブランドと比較すると、ジャンフランコ・フェレのアイテム達はモード系や派手めな印象はほとんど見られません。アイテムの多くは非常にシンプルであり、他のブランドよりも対照的なデザインです。

しかし、ジャンフランコ・フェレはシンプルながら、品位のあるデザインが持ち味です。

安価なアイテムとジャンフランコ・フェレ、両者を並べるとその違いは一目瞭然!ジャンフランコ・フェレ特有の、高級感を出しつつ嫌味にとられない絶妙な艶感。

そして、男性・女性共に体の美しいラインを更に美しく見せる、巧みな縫製技術は他のブランドではなかなか出せません。このシンプルながら、品位のあるデザインこそ、ジャンフランコ・フェレの魅力と言えます。

カジュアルアイテムに建築的技法を取り入れる

ジャンフランコ・フェレのカジュアルアイテム達は、彼が学生時代~インテリアデザイナーとして学んできた建築技術が大いに活かされています。

例えば、ジャンフランコ・フェレのブラウス。一見すると、何の変哲もないブラウスですが、着用すると他のブランドとの違いがよく分かるでしょう。

所々にボリューミーな仕掛けを施しており、かと言って服の着膨れのような印象を出さない見事な仕上がり。野暮ったさを感じさせないため、カジュアルアイテム達も品の良さを出しています。

そのため、たとえ若い頃に購入しても40~50代、それ以降も申し分なく着用できるでしょう。

ジャンフランコ・フェレはどこで購入できる?

ジャンフランコ・フェレを購入したいと思いましたら、旗艦店や直営店が良いでしょう。とは言え、初めての方がいきなり旗艦店・直営店に行くと、緊張とあせりで商品が目につかない可能性があります。

でしたら、百貨店に足を運んでみてはいかがでしょうか?百貨店は駅から近い好立地でありながら、ジャンフランコ・フェレのみならず様々なブランドを展開しています。

他ブランドと比較できますし、何より比較した後「やっぱりジャンフランコ・フェレは素晴らしい!」と感じることでしょう。

まとめ

最後になりますが、ジャンフランコ・フェレはもともと、ファッションのファの字もないところから一気に、ファッション業界のトップ3に入った異端児です。

ですが、彼の展開するアイテム達は、いやらしさや下品な印象はなく、品のあるシンプルデザインが多く、私達を虜にします。

ジャンフランコ・フェレが生み出した作品の数々を是非、その目で確かめることをおすすめします。