4大資本と呼ばれるグループが中心

ビッグブランドのグループ化として知られているのは4大資本と呼ばれるグループです。スウォッチグループ、リシュモングループ、LVMH、ウォッチランドの4つになります。

他にもDKSHグループやMELBホールディングスなどそれぞれの特徴をもったグループが存在し時には協力、時には敵対しながら時計業界は成り立っています。

仮にこれらのグループがなければクオーツショックの際にもっと多くのブランドが廃業に追い込まれていたのですから、ブランドだけでなく業界全体ひいては時計文化の継承・発展を支えているのです。

スウォッチグループ

スウォッチグループは4大資本の中でも最も大きな資本です。

主なブランドとしてはブレゲ、オメガ、ブランパン、ジャケドロー、グラスヒュッテオリジナルやロンジンなどいずれも伝統を重んじながらも常に革新をしてきたブランドが中心です。

特にムーブメントを生産・供給しているETA社がグループ内にいるメリットは非常に大きく、グループ外には汎用ムーブメントの供給量や値段の調整が行われるなど通常の運営を左右する要素になっています。

リシュモングループ

リシュモングループはかつてカルティエグループとも呼ばれた資本です。始まりはIWC、ジャガールクルトからと言われています。

主なブランドはIWC、ジャガールクルト、モンブラン、オーデマピゲ、ランゲ&ゾーネ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど伝統を継続していこうと考えるブランドが比較的多いグループです。

しかし最近リシャール・ミルやロジェ・デュブイなど革新的な時計を創り出すブランドと合流し新たな動きを見せています。

LVMH

LVMHは正式にはルイヴィトンモエヘネシーという資本です。主なブランドはタグホイヤー、ゼニス、そしてルイヴィトンです。

どちらかと言えばラグジュアリーファッションブランドが多く、時計だけでなく服飾系での繋がりが多いグループです。

ゼニスがLVMHに加入したことを時計メーカーではなくファッションブランドの方向へのシフトだと思い、離れていってしまったコアなファンもいるほどグループ加入の影響は大きいのです。

ウォッチランド

ウォッチランドはフランクミュラー率いる新進気鋭のグループです。主なブランドにはフランクミュラー、クストス、ピエール・クンツ、バックス&ストラウスがいます。

これまでの複数の様々なグループの集まりとは違い、フランクミュラーを中心としたブランドの集合というほうが正しいかもしれません。

ジュエラーのシルマケスと組んで始まったブランドなのもあって、最先端のファッションや技術・素材などへのチャレンジのスピードも早く革新的な時計が多いことも特徴です。

独立系

グループに所属しないブランドを独立系といいます。主なブランドにはロレックス、パテック・フィリップ、その他知名度の高くブランドの多くは独立系です。

彼らはグループの後ろ楯なく生産・運営するので、グループに所属しているブランドよりも資本の面で不利な環境にあることが多いです。

しかし独自の路線やブランドの特色をより活かすにはグループに入ることで広告・運営方針の制限等がかかることもあるためあえてグループに入らない選択をするブランドもあります。

まとめ

四代資本についてまとめました。彼らは大きな資本に集まることでクォーツショック等の苦難を乗り越え、現在ではグループそれぞれの考え方で時計造りを続けています。

かつてバーゼルワールドしかなかった見本市は、ジュネーブサロンやWPHHなどそれぞれのグループで行うようになりました。

彼らの戦略・動きに注目することで、時計業界の大まかな動向を知ることができます。時計業界を知ろうと思ったら、まずは四大資本のビッグブランドを追いかけるのが時計を楽しむコツです。