はじめに

昨今、既製品のスーツが数多く販売される中、オーダースーツ市場も根強い人気を誇っています。しかし、最近ではオーダースーツも昔ながらのフルオーダー以外に、セミオーダー・パターンオーダーのように種類が増えてきたのです。フルオーダーは聞いたことがあるものの、セミオーダー・パターンオーダーは聞き慣れない方も多いことでしょう。ではどのようなスーツなのか?今回はフルオーダーも含めて解説します。

フルオーダーとは何か?

フルオーダーとは読んで字のごとく、スーツを1から仕立てることを指します。手順として、下記に紹介する流れでスーツが作成されます。このように至れり尽くせりですので、こちらの細かい修正にも対応してくれますし要望も聞いてくれることもあります。

①:フルオーダーの作成のため仕立て屋に来店します
②:専門スタッフと共に生地選びをします
③:お客様のサイズを専門スタッフが細かく計測します。この時、体に合ったワイシャツであれば作成時にサイズの差異が生じにくいです
④:専門店によって縫製のランクを選べます。上質な着心地を求めるなら最高ランクを選択しましょう
⑤:スーツスタイルを選択します。選択後、ボタンや裏地等の細かいポイントを決定します
⑥:発注後、店舗によって仮縫い作業が行われます。仮縫いはお客様の体形に更にフィットするために必要な作業です(選択しない、またはもともと仮縫いが無い場合はそのまま作成されます)
⑦:全ての作業が完了すればお客様に納品されます

フルオーダーのメリットとは?

フルオーダーのメリットは大きく分けて3つあります。まず、自分の体形に合ったスーツを作れることで、今までにない着心地の良さを実感できます。それを実現させるために仮縫い後、何度かお客様を呼ぶのです。というのも、確かに体系に合わせて型紙を作成しているものの、体系とスーツに微々たる差異が生じている可能性があるからです。細かく調整することで、体に馴染むスーツを実現できるのです。

次に美しいシルエットを生み出せることです。フルオーダーはお客様の身体のラインを正確に計測すると共に、体系の癖(猫背・ふくよかなシルエット等)をくみ取り作成されます。そうすることで、体のラインを辿るように美しいシルエットが誕生するのです。

最後は、世界に1つだけのスーツを作れるところです。このように、手間暇と作成料金はかかるものの、自分の体形に合ったスーツを入手できます。フルオーダースーツを着用すると、もしかしたら、既製品のスーツに戻れないかもしれませんよ。

セミオーダースーツとは?

お客様の体形を採寸~仕立てまで行われるフルオーダー。しかし、作成までに時間や費用がかかるとあって、二の足を踏んでいる方いると思います。そこで、皆さんに紹介したいのが、セミオーダースーツです。セミオーダースーツとフルオーダーの違いは型紙にあります。セミオーダーは、確かにサイズを計測するものの、既に仕立て屋で数百種類の型紙が用意されているのです。計測したサイズをもとに、用意されている型紙の中から選択し、まるでパズルを組み合わせるかのようにお客様の型紙を作り上げます。

最近では、コンピューターのデータベース上に型紙を用意されているところも見られます。後は、専門の工場に依頼して仕上げれば完成のため、時間と手間を大きく削減しています。ただし、仕立て屋によっては型紙を作成したらそのまま、スーツを作成する。また、フルオーダーのように融通が利かない場合もあるため、作成する前にどのような手順を踏んでスーツを仕上げるのか確認しておきましょう。

セミオーダーのメリットとは?

セミオーダースーツのメリットは「時間」「費用」この2点が挙げられます。重複となりますが、フルオーダーのように細かい作業を必要とせず、なおかつ既に型紙も用意されているため作成時間を短縮させます。仕立て屋によって異なりますが、オーダーしてから約1~2週間ほどで完成します。

また、手間暇がかかっていない分、コスト削減に繋がり費用を大きく抑えられるのもメリットです。フルオーダーでは数十万円単位だった費用が、セミオーダーでは最低でも4~5万円、高額でもフルオーダーよりも安価に抑えられます。確かにフルオーダーのように至れり尽くせりの対応、または正確な寸法を計測し、それに見合った型紙を作成することはありません。しかし、フルオーダーの80~90%に近い感覚でオーダースーツを作ることができます。そのため、初めてオーダースーツを作る方におすすめできるシステムといえます。

オーダーなのに低価格?パターンオーダーとは?

パターンオーダーとは、既にメーカーから販売されている既製品をもとに、スーツを作成していくことを指します。つまり、サイズは先ほど紹介したセミオーダーのように既存の型紙から作成ではなく、既製品のサイズから選択するのです。パターンオーダーのメリットとして、セミオーダーより安い費用、そして時間を必要としないことです。というのも、既製品が用意されているため、そのサイズに合えば後は、生地を自分で選び専門の向上に発注するだけです。

仕立て屋は、1から作業を始める手間暇、そして人件費もかからないためその分、費用に還元できます。納期はセミオーダー同様、約1~2週間、費用は安価なものですと2~3万円程度、高額でも10~20万円以内には収まるでしょう。また、初めてオーダースーツを試す方にとっても、費用・時間の他に専門知識を必要としないため、作りやすいといえます。もし初めて、オーダースーツを検討してるならセミオーダー、またはパターンオーダーを試してみましょう。

まとめ

最後になりますが、オーダースーツはフルオーダー・セミオーダー、そして今ではパターンオーダーまで行われれるようになりました。オーダースーツは敷居が高いイメージがあるものの、オーダーのシステムによってはどなたでも手軽に作れます。もし興味を持った方がいましたら、一度試してみてはいかがでしょうか。