ラルフローレンとは?

ラルフローレンは、1968年にアメリカ人デザイナーであるラルフ・ローレンが設立した老舗ファッションブランドです。イギリスの伝統的なテイストをアメリカ流にアレンジした当時としては斬新すぎるスタイルが、世界中で評判となり、一躍トップブランドの仲間入りを果たしました。創立当初から一貫したスピリットを持ち続け、アメリカントラッドやアイビーファッション界において確固とした地位を築き上げたことでも知られています。

創設者であるラルフ・ローレンが、自身のブランドで最も表現したかったものは、“アメリカのより豊かで理想的なライフスタイル”であったと言われています。これは、上流階級出身ではない彼が、幼いころから抱いていた理想の世界を表現したものであると考えられており、彼が手掛けたデザインからはその思いを随所に感じることが出来ます。創立から約50年近く経った今でも、新たなプレッピースタイルを若い世代に提案し続けるストイックな姿勢は、ファッション界からも高い評価を得ています。

ラルフローレンの歴史

さて、ここからは老舗ブランドならではの歩みを紐解いていきましょう。ラルフ・ローレンは、1939年、ニューヨークで家屋塗装業を営むフランク・リフシッツ とフレイドル・コトラーの間に生まれました。4人兄弟の末っ子である彼は、ニューヨーク市立大学バルーク校に進学し、2年間ビジネスを学びますが、その後、中退してしまいます。自由の身となった彼は、セールスマンとしてブルックス・ブラザーズのネクタイ売り場を担当するようになります。すると、彼のアイデアがきっかけとなって生まれた幅広のネクタイが大ヒットし、この功績が認められ、1967年に彼は、ボー・フランメル社に迎え入れられます。

ハンドメイドネクタイのデザインを手掛ける

そこで、「ポロ」というブランド名のもと、ローレンは、本格的に高級ハンドメイドネクタイのデザインを手掛けるようになります。ここで発表したワイドタイがヒットしたことにより、彼は独立し、1968年、ついに自身のブランドである「ポロ・ラルフローレン」社を創設しました。創設から2年後に、メンズウェア部門でコティ賞受賞した彼は、1971年からは、レディースウェアの製作にも力を入れるようになります。中でも上品でクラシカルな製法のもと手掛けられたテーラードスーツが話題を呼びました。

アニー・ホール・ルック

同年、初の路面店をビバリーヒルズにオープンし、さらにはメンズウェア部門でトニー賞を受賞するなど、彼は、異例のスピードでファッション業界にその名を轟かせていきました。その6年後の1977年には、アメリカ映画『アニー・ホール』で、主演のウディ・アレンとダイアン・キートンがラルフローレンの服を衣装として着用したことがきっかけとなり、彼の手掛けるスタイルは、「アニー・ホール・ルック」と称され、一大ブームを巻き起こしました。

新たな挑戦

1978年、初のフレグランスシリーズ「POLO FOR MEN」、「LAUREN FOR WOMEN」をそれぞれ発表すると、同年、ボーイズウェアライン「POLO FOR BOYS」、新たなメンズウェアライン「チャップス・ラルフローレン」のブランドスタートを発表しました。1981年、ロンドンのボンド・ストリートに路面店をオープンすると、同時期にガールズウェア「RALPH LAUREN FOR GIRLS」の始動を正式に公表しました。その後、1982年には、FOOTWEAR、1983年にはホームファニシング「THE RALPH LAULEN HOME COLLECTION」、1985年には、婦人バッグライン、1989年にはゴルフウェア「POLO BY RALPH LAUREN FUNCTIONAL GOLFWEAR」を発表するなど、ますます活躍の場を広げていきました。

1990年代に入ると、1994年には、ウィメンズ新ライン「RALPH」、その翌年には、最高級ラインとも評されるメイドインイタリーのメンズライン「RALPH LAUREN PURPLE LABEL」、ベビー・トドラーライン「RALPH LAULEN INFANTS AND TODDLERS」、「RALPH LAULEN LAYETTE」、96年にはジーンズメインの「POLO JEANS CO.」の設立を発表しました。これまで、他分野とのコラボも積極的に行っていたローレンは、1999年、自身がプロデュースを手掛ける初のレストラン「RL Restaurant」をシカゴにオープンさせました。

新しいポロ

2004年には、大学生に向けたリーズナブルな新ライン「Rugby(ラグビー)」をスタートさせ、そのエンブレムにはポロの代わりに、メンズではラグビーのキッカー、レディースではラグビーシャツを描いていることが特徴です。コーデュロイのパンツ、ラグビーシャツ、セーター、ツイードジャケット、スカート、コート、ベストなどカジュアルなウェアを中心とした展開は、若い世代から絶大な支持を集めました。この1号店をボストンに開いたローレンは、これを「the new Polo(新しいポロ)」と表し、今後5年間で40店舗をオープンさせる計画も同時に明らかにしています。2007年時点で、ラルフローレンはアメリカ国内に35か所以上のブティックを持っており、そのうち23か所では、ラルフローレン・パープル・レーベルを取り扱っています。

オリンピックで活躍

また、2010年のバンクーバー冬季オリンピック、2012年ロンドン夏期オリンピックおよびパラリンピックで北京に続き、米国選手が開会式と閉会式、選手村で着用するウェアをデザインするなど、アメリカを代表するブランドとして世界中から認知されています。同年には、パリのサンジェルマンデプレにあるラルフ・ローレンショップ内に、レストラン「Ralph’s」をオープンさせるなど、ますますブランドとしての幅を広げていきました。現在では、高級ブランドが立ち並ぶニューヨークの5番街にもショップやレストランをオープンさせるなど、その勢いは留まるところを知りません。

最後に